歌を通して自分本来の声を見つけるメール講座
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歌う事は無理なんじゃないかと思っても、本来の声の響きは必ず存在する
配信日時:2019/03/10 20:00


私が日々皆さんにレッスンしている「アンカヴァーリング・ザ・ヴォイス歌唱法」は、綺麗に、上手に歌う事を最も重要な目標にしていません。

自分に掛けらている覆いを一枚、一枚、丁寧に除いていった先に、
その結果として美しい声が現れ出る歌唱法です。

一般のボイストレーニングや歌唱レッスンの違いは、
そのアプローチの違いにあります。

同じ歌う事を扱っていますが、アプローチの仕方が全く違うのです。
歌っている人間をどのように扱っているかの違いでもあると思います。

人間を例えば楽器の様に、物質的な物として扱っています。
フイゴのように、空気の出し入れをコントロールして、
声帯を震わせれば声が出るといったような、
まるで機械のように歌う人を扱っています。

それは、曲のダイナミクスを歌う時にも表れていて、
forte(フォルテ)で歌う時は大量の空気を押し出して歌い、
piano(ピアノ)で歌う時は、少ない空気で歌うというように、
音量を調整します。


あなたも上記と同じことを考えて、
実際に歌う時に、同じことをしていませんか?


アンカヴァーリング・ザ・ヴォイスでは違います。
フォルテで歌う時も、ピアノで歌う時も、空気の量は同じです。


どうしてそんなことができるの?と思いますよね。

それは体全体がよく響く楽器のようになるからなんです。

余分な力を抜いて、余計なことをしているのを止めて、
ああなりたい、こうしたいという自分のエゴで考えた算段を止めて、
やってくる響きの邪魔をしないように、ひたすら響きの導管として
自分を明け渡します。

そうして自分の身体が響きに満たされると、
自分の周りの空気も共鳴して同時に響き始めるのです。


アンカヴァーリング・ザ・ヴォイス歌唱法の生みの親である
ヴェルベックは、「人間の声自体は、決して病まない」と云いました。

彼女が言った言葉の真理を体験させてくれた患者さんがいます。

肺の疾患があり、呼吸がスムーズに行えない人とレッスンを行っていました。
エクササイズを終える度に、呼吸を整えてから
次のエクササイズに進むという具合でした。

でも、ある時、その人の声から現れ出た響きが、それはそれは美しくて、
私は鳥肌がたちました。

つま先からお腹に向かって、そして指先から胸に向かって、
サワサワとしたバイブレーションが私に広がっていきました。


その人のとても純粋な、そして崇高なものが声に現れていました。

お顔を見ると、光に包まれているように明るくて、神々しいのです。


本人も歌い終わった後に、気が付かれました。

「今の声は私の声でしたよね。
自分の声にもこんな声があるんだと、初めて聞きました。
でも、自分で声を出している事は分かっているんだけど、
まったく自分で歌っている感じがしないんです。
まるで、自分の声が上から降ってくるみたいに感じて。
不思議だなぁ。
自分のこんな声を聞いたら、もっと歌いたくなりました。」


呼吸に喘ぎながらも、その人の本来の声の響きは存在しています。

私はその響きが現れ出るように、ひたすら耳を傾けて、
それを引き出すお手伝いをしています。


それは私にとっても至福の時間です。

だって、すぐ隣で、魂の声を聞けるのですから。

自分本来の声を取り戻した人は、その声を誇りに思います。
今まで気が付かなかった自分の声を再発見して、
また新たな人生の章を生きて行かれます。

あなたにも、あなたらしい声の響きがあることを忘れないでください。

そして、それを見つけることができますように。

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